二大宗教者大激突! 「仏陀再誕」!!!

 幸福の科学の大川先生と創価学会の池田先生ががっぷり四つ! 新興宗教サイキックウォーズの幕開けだ! 以下、あらすじ紹介。ネタバレあり。


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 物語はまず、突然、霊の姿が見えるようになったヒロインの小夜子が、知り合いのジャーナリストの霊に引きずられ電車に轢かれそうになるところから始まります。ピンチの小夜子を救ったのは元カレの勇気くんでした。カレは宗教団体「幸福の科学TSI」の一員でもあるのです。

 小夜子を救った勇気くんは唐突に己の死生観を説明し始めます。


「人は死んだら魂はあの世へ行く。うまく天国へ行ければいいが、地獄に落ちる悪霊もいる。そういった悪霊がこの世に影響を与えるんだ。お前が襲われたのもそういう悪霊だ」



(上:勇気くん布教中)


 しかし、小夜子は元カレに良い思い出を持っていませんでした。付き合ってた当時の勇気くんは宗教活動ばっかりで小夜子を放置気味だったからです。元カレが宗教ばっかりなので別れたのに、久しぶりに再会したと思ったらいきなり死生観を説かれるとか小夜子ちゃんも大変です。

 一方、創価学っ……ゲフンゴフン!操念会の会長、池田大さ……ゲフンゴフン!荒井東作はテレビで超能力を披露し話題をさらいます。



(上:池……荒井先生のサイキックパワー)


 興味を持った小夜子は創価学会操念会本部へ行き、池田大さ……ていうか、もう池田大作でいいよね! 池田先生の話を聞こうとしますが、突然現れた勇気くんが「創価学会は危険だ!」と言って小夜子と彼女の弟を連れて逃げます。無事に逃げ延びた三人。ですが、小夜子の弟が倒れてしまいます。池田先生の呪いを受けていたのです。



(上:池田先生の呪い)


 謎の奇病に苦しむ弟。小夜子の父は医者でありながら息子を救えない自分の無力を嘆きます。……と、そこに現れたのが宗教団体「TSI」の教祖であり、再誕の仏陀である空野太陽……っていうか大川先生でした。大川先生は弟に憑依した悪霊をサイキックバトルの末に打ち倒します。医学では癒せぬ池田先生の呪いも大川先生のサイキックパワーには勝てないのです。

 弟も回復したことですし、小夜子と勇気くんは夏祭りに出かけます。……と、そこに大量のUFOが出現! レーザービームを発して東京を襲撃します。 



(上:池田先生のUFO部隊が東京を空襲!)


 ですが、ここで小夜子がサイキックパワーに目覚めUFOを迎撃します。実はこのUFO部隊は池田先生のサイキックパワーにより生み出された幻覚だったのです。

 小夜子に計画を邪魔された池田先生は次なる手を打ちます。電波ジャックを行い、TVを通じて国民に津波の幻影を見せたのです。



(上:池田先生の大津波が日本を襲う!)


 そんな池田先生を止めるため、小夜子や勇気くんもTV局に走ります。そして、妨害する創価学会員と肉弾戦を繰り広げ、また、謎のインディアンがサイキックパワーで学会員を打ち倒し、ついに小夜子はカメラの前に立ちます。そして、大川先生からテレパシーを受けた彼女は、説法により人々を津波の幻影から救ったのでした。

 小夜子はこの件で時の人となりますが、後日、学校帰りに誘拐されてしまいます。そして、野球のオールスター戦。UFOに乗った池田先生が球場に現れました! はたして小夜子を誘拐したのは池田先生だったのです! 

 UFOに乗った池田先生は小夜子に脅迫します。「会場中に爆弾を仕掛けた。5万人の観衆の命が惜しければ私が再誕の仏陀だと言え。お前が言えば皆が信じる」と。ですが、小夜子はそれを拒否し、池田先生は彼女の精神を破壊します。ヒロイン、危うし……!

 と、その時、空から舞い降りてきた大川先生! 池田先生が叫びます!

「やはり来たな!」

 さあ、二大教祖によるサイキックウォーズの幕開けです

 まずは池田先生が先制攻撃。オーラで大川先生を襲います。しかし、大川先生は黄金に輝く剣を取り出してこれを弾きます。一方、池田先生のオーラを受けた観客たちは発狂していました。ですが、大川先生の説法により観客たちは正気を取り戻し、池田先生もUFOから落下します。勝負あったか!?

 ……いえ、まだです。池田先生の体から何かが現れました。左目の辺りに時折刀傷を見せる謎に満ちた怪僧です。筆者にはこの僧侶のモデルが何なのかさっぱり分かりませんが、そういえば日蓮は眉間の辺りに刀傷を負ったという伝承があったようななかったような。というわけで、真のラスボスが現れました。池田先生を操っていた真の悪玉、その名も覚念! ……もう日蓮って書いちゃっていいですよね?(※)

 そして、日蓮は小夜子を人質に取り、ビームで観客を攻撃します。しかし、観客にビームは届きません。何かが彼らを守っていました。そう、光の羽を生やした大川先生が身を呈して彼らを守っていたのです。大川先生、第二形態です。

 ですが、大川先生の形態変化はこれだけに止まりません。大川先生は過去世(仏陀時代)を想起することにより、巨像を召喚し、その上に乗ります。大川先生・オン・ジ・エレファント!
 すると、なぜか日蓮が十字架に磔にされ、さらに大川先生がペンタグラムを描くと天使が舞い踊りて日蓮が消滅しました。すごくサイケデリックです。

 そして、小夜子は勇気くんの愛のパワーで何となく復活し、心を入れ替えた池田先生は独房の中で再誕した仏陀に祈りを捧げるのでした。めでたし、めでたし。



(上:愛のパワー)


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 というわけで、相変わらずスゴイ話でしたが、それでも地獄に落ちたニーチェヒットラーが巨大怪獣を操り、対する主人公がエジソンの作った巨大ロボに乗り込んで激闘を繰り広げた前作に比べると、まだしも取っ付き易い作品だったと思います。

 あと、僕たち宗教マニアがよく冗談で言っている、「大川先生と池田先生が戦ったらどっちが強いんだろう?」まさかオフィシャルでやってくれるとは思いませんでした。その意味ではすごく意義深い映画だったと思います。


※リアル大川先生は日蓮からの霊言も受けているので、「覚念=日蓮」は考えすぎかもしれません。覚念はモデル不在かも……?? でも、「覚念=日蓮」と考えるのが一番ぴったりくるんだよなー。

関連:「仏陀再誕」の覚念のモデルは真言宗の覚鑁?